TURはiシェアーズ MSCI トルコ ETF7月の購入ランキングではトップ10に入るETFです。ご存知の通り今年の8月にトルコリラがおおきく暴落、今だったらラング外でしょうが、通常であればかなり人気のあるETFと言えます。
いずれにしても注目度が高いETFなので内容を確認してみたいと思います。
iシェアーズ MSCI トルコ ETFの概要
iシェアーズ MSCI トルコ ETF(TUR)は新興国トルコ株式に分散投資するETFです。経費率は0.62%、GDPの成長率の大きなトルコに目をつけた新興国株式ETFです。
純資産総額 USD 416,778,461
設定日 2008年3月26日
インデックス MSCI トルコ・インベスタブル・マーケット・インデックス
インデックス・ティッカー MIMUTURN
保有銘柄数 62
分配金利回り 7.02%
経費率 0.62%
年初来(トータルリターン) -49.29%(2018年8月24日)
トルコの経済成長はめざましく、トルコという国としてかなり期待ができるものと思われます。 TURの分配金も7.02%と高く魅力的なETFに見えます。
(世界経済のネタ帳)
ただし、新興国ですから経済成長は期待できるものの、トルコリラ暴落に見るようにリスクは大きいことを肝に銘じる必要があります。
以下のチャートは設定来のパフォーマンスの推移となります。 これを見るとだだ下がり、今年に入ってからも-49.29%と大きく値を下げパフォーマンスは悪いです。
価格はドル建てなので為替も影響します。 ドル/リラのチャートを見るとこれがパフォーマンスにおおきく影響を与えているものと推測できます。
米ドル / トルコ新リラ チャート
また、トルコはインフレ率が高く2017年以降は10%を超えるインフレが続いており、これはトルコ中央銀行の目標値5%をおおきく上回っています。
また経済収支をみると赤字が続いていること、ここに米国の利上げが影響し資金が引き上げられているようです。
iシェアーズ MSCI トルコ ETFの組込銘柄
組込銘柄を見ると聞いたことのない銘柄がほとんど、世界的に活躍している企業は無いようです。 組込銘柄も62と少なく投資に値する企業が少ないということでしょうか?!
日付 2018年8月23日 | |||
ティッカー | 銘柄名 | 業種 | 保有比率(%) |
EREGL | EREGLI DEMIR VE CELIK FABRIKALARI | 素材 | 7.62 |
TUPRS | TURKIYE PETROL RAFINERILERI A | エネルギー | 7.52 |
BIMAS | BIM BIRLESIK MAGAZALAR A | 生活必需品 | 6.79 |
GARAN | TURKIYE GARANTI BANKASI A | 金融 | 6.78 |
AKBNK | AKBANK A | 金融 | 6.36 |
TCELL | TURKCELL ILETISIM HIZMETLERI A | 電気通信 | 5.91 |
KCHOL | KOC HOLDING A | 資本財・サービス | 5.53 |
THYAO | TURK HAVA YOLLARI AO A | 資本財・サービス | 4.3 |
ASELS | ASELSAN ELEKTRONIK SANAYI VE TICAR | 資本財・サービス | 4.19 |
SAHOL | HACI OMER SABANCI HOLDING A | 金融 | 3.29 |
GDPの成長著しいトルコ、人口も増加しており これからも成長は期待できるものと考えられますが、資金が新興国よりも流出しているので、今までよりさらに不利な状況が続く事になるでしょう。
ここまで新興国の経済状況を簡単に見ただけですが、初心者が高金利につられて購入するにはかなりおっかないですよね。 そろそろ反発するのではないか…とか言われたりもしますが私は今のところ近づく気になれません。
一番の経済大国が米国であり世界中で使われている通貨も米ドルであることを考えれば米ドル中心で作戦を考えるのが普通です。 となれば投資初心者は配当率が高いとか部分的な魅力にひかれずに まずは米国もしくは世界中への分散を考えるべきで、
特定の国や地域への分散はそれなりのリスクがあり、何が起きそうなのかがわからなければあまり手を出さないほうが賢明だと思います。 その意味でトルコのリラ暴落などをきっかけに検証するいい勉強材料だろうと思っています。
人気ETFと保有額の大きなETFランキングです。TURは人気ETFに入ってきますが、流石に保有額ではランク外です。

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