「時価総額加重平均と均等加重平均」いきなり難しい言葉が出てきましたが、これはベンチマークを構成する銘柄をどのくらいの割合で組み入れるのかを計算する方法です。
一般的には「株価総額加重平均」が使われていますが、ETFの中には「均等加重平均」という算出方法で行われているETFもあり、同じ組み込み銘柄でありながらこの算出方法によってパフォーマンスに差が出てきます。
そこで、株価総額加重平均と均等加重平均について整理しました。
算出方法の違い
まず算出方法の概要を知っておきましょう。
株価総額加重平均:
組み込む銘柄の時価総額の割合で組み込みの銘柄の割合をきめるものです。 その算出方法から時価総額の大きい大型株の割合が大きくなり、結果 株価の変動が小さくなる傾向があります。 逆に言えば時価総額が小さく成長性が高い中・小型株が含まれていても、その影響は小さいといえます。
また現在は国や創業者が保管する、市場に出回らない株を調整する浮動株調整がセットで行われるケースがおおくなっています。
代表的な株価指数
東証株価指数 (TOPIX) (日本)
香港ハンセン株価指数(香港)
加権指数 (中華民国)
S&P 500(アメリカ)
ナスダック総合指数(アメリカ)
ラッセル 3000指数(アメリカ)
ラッセル 2000指数(アメリカ)
FTSE100種総合株価指数 (FTSE 100) (イギリス)・・・等々
均等加重平均:
組み込み銘柄の株価を合計して銘柄数で割ることで算出する方法、大きく分けて単純平均と調整を入れるダウ式平均があります。 大型株も中・小型株も同列に見られるので価格変動は株価総額加重平均に対して株価の変動は大きくなる傾向と言われます。
多くの銘柄を組み込むETFにおいては株価平均は現実的に実施しにくいものと思われ比較的組み込み銘柄が小さいものに採用されています。
代表的な株価指数
日経平均株価(日本)
日経ジャスダック平均株価(日本)
ダウ平均株価(アメリカ)
パフォーマンスの差について検証してみる
組み込み銘柄が同じETFで過去もパフォーマンスを比較してみましょう。 今回はS&P500で有名なRSPとSPYで比較します。
なお、ベンチマークは米国の大型株が大部分を占めておりバリューからグロースまで幅広く含まれます。
RSP(INVESCO S&P 500 EQUAL WEIGHT ETF)
S&P500を1銘柄0.2%づつ組み込んだETFです
SPY(SPDR S&P500 ETF)
組み込み割合の高い順から10銘柄を記載しました。 組み込まれた銘柄の時価総額順にウエイトが決められています。 このウエイトの率と時価総額の比率が基本同じなわけです。
RSP・SPYチャート
RSP設定時からのチャートを見てみると、RSP圧勝となっています。 組み込み銘柄が同じでもその構成比率によって大きな差が生まれていることがわかります。
なぜここまでの差になるのかは調べきれませんでしたがバリュー株もグロース株も同じ割合で組み込まれていることが要因になるのではないでしょうか?
気になる部分としては大型株であれば時価総額がそれなりに高くなるので無視してもいいと思いますが、小型株など時価総額が低くても、他の組み込み銘柄と同じ割合で買ってしまうので価格が釣り上がって割高で購入してしまう可能性も考えられます。
このため小型株が含まれる株価平均のETFは注意が必要かもしれません。
浮動率調整について整理しました。 現在はほとんどのベンチマークは時価総額加重平均
で浮動率調整を行っています。 株価平均と合わせて知っていると銘柄選びのときにどのようなETFなのか理解が深まると思います。

今回比較したRSPの他にもDIAも株価平均です。

バリュー株とグロース株を気にするよりも投資初心者はバランスよく持ったほうが良いかと思います。

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