米国では今年に入って2度の利上げが行われており、年内中に更に2回が見込まれているといいます。 これにより新興国に流れていたお金は米国に引き戻されることになり新興国株価や債券価格の下落を招いています。
新興国の通貨も軒並み下落し、トルコの通貨リラの急落、新興国通貨全般も下落し新興国の通貨当局も利上げなどの対応に追われているとのこと・・・
このような中で私も持っている新興国債券ETFのVWOBも順調に値を下げ対応をどうするか考えなければなりません。
ホントはこうなる前に、下がったらどうするか決めておけばよかったのですが 株の暴落くらいしか考えたなかったので新興国が下がるのが頭になかったわけです。
現状をまず整理
新興国株式や債券が下がっているのは米国の利上げが大きな原因です。最近トルコのリラが急落したのも米国利上げにより資金が新興国から引き上げられた事が影響しています。
当然、新興国でもこれに対抗して たとえばアルゼンチンは中銀が利上げ、政策金利が40⇒45%に引き上げられました。
米国の利上げ
↓
ドルが新興国から引き上げられる
↓
新興国の通貨安
↓
ドルベースで新興国株式、債権の下落
↓
新興国では政策金利を上げる
この様な状況が起きているのものと思います。 また米国では金融緩和政策が出口に近づいており、更に利上げを予定しています。
つまりリーマンショック後に米国はずっと金融緩和政策をしてきましたが、ついに正常状態に戻すということ、であれば新興国の通貨は今までより安い状態で固定化される可能性大ということですよね。
となるとますます米国一人勝ちという雰囲気がましてきます。 つまり米国への投資は今までどおり継続or強化が良いと言うことですね。
ちなみに米国では約2%のインフレが実現できており、日本ではインフレは進んでいません。 このため近い将来を考えれば円高が進むと予想されます。
また「IMFは金融危機後の金融緩和と財政支出で、世界の債務総額は164兆ドルと過去最高に膨らんだと分析。FRBが引き締めに転じたことで、ドル建て債務の返済負担が重くなると警戒する」(日経新聞) と書いています。
つまり新興国の通貨安が新興国の経済におおきく影響するということです。
VWOBの状況
まずVWOBのチャートを見てみましょう。
VWOB・VWOチャート(最大)
VWOBは新興国債券ETFなのでVWOと比べるとやはりディフェンシブな動きを示しています。 ただ2018年に入ってからは米国利上げの影響でしょうかどちらも値を下げている傾向が見られます。
VWOB・VWOトータルリターン(最大)
VWOBは2013年より販売されているので運用期間は約5年、価格はほぼ変わらないが配当の高さが4%を超えるのでトータルリターンは着実に積み上がっています。
VWOB・VWOチャート(過去6ヶ月)
過去6ヶ月とは私がVWOBを買った頃、その頃から順調に値を下げています。 ただVWOと比べればディフェンシブなことも確認できます。
VWOB・VWOトータルリターン(過去6ヶ月)
たった6ヶ月ですから参考ですが、配当を含めればVWOB-1.5%程度に収まっています。一方でVWOはこの間で-9.3%でした。
ではどうするか?
今年中に米国では2回の利上げを予定していることから今逆張りで購入するような場面でもないことは明らかです。となれば売却かホールドか、当然ホールドでしょう。
元を取ろうとするならばVWOBの利回りが4%を超えるのでもし価格が半分まで落ちたとして利回りで下落分を取り返すのであれば約18年と長いです。
しかしVWOBを単純に分配金をくれるものと考えれば その評価額はあまり気にしなくてもいいとも考えられますし、どちらかと言えば私は分配金が出るのであればその時の評価額は気にしないというポリシーでやっていきたいのでホールドとなります。
米国の利上げが一段落したときの状況を眺めてから追加購入もあるかもしれませんし、大規模な米国株式の下落があればVWOBを売却します。
また逆張り局面でも無いので 今は追加購入もありません。ということで結論はVWOB下がっているけど今は何もしない。
単純に価格が下がり続けているのを見ると、結構焦りますが冷静に整理すれば 大抵の場面ではバイ・アンド・ホールドが一番良いという事になりそうです。
長期運用でポートフォリオを考えたときに、どうもVWOBの居場所がありそうもありません。 なので慎重に検討します。(2018.9/11追記)
新興国に投資するときの注意点をまとめました。米国利上げだけでなく世界経済が不安定になったときもまっさきに資金が引き上げられますので注意が必要です。

米中貿易戦争も世界経済に影響を与えそうです。

コメント