私の投資のメインはVTIとVYM、つい最近もVYMを少しだけ買い増ししました。 すでに直接米ドルで購入しているので今更楽天VYMに乗り換える気はなかったのですがちょっと揺らいでいます。
なぜかといえば、1注文あたりの手数料が意外とバカにならないのです。
今まではポジションを取るためにある程度まとまった額を購入したので手数料は気にならなかったのですが、今ある程度ポジションをとったので今後は少額での積立がメイン、となると手数料は非常に気になります。
その他にも税金など、気になることを整理しました。
ETF取引手数料を比較する
ご存知の通りSBI証券で直接米国株式を購入するとこの様な手数料がかかります。
SBI証券 米国株式 1注文あたりの手数料
約定代金の0.45%(税込0.486%)
最低手数料:5ドル(税込5.4ドル)
上限手数料:20ドル(税込21.6ドル)
もう少し具体的に書けば
100ドル以下は 手数料5ドル
100~4444.4ドル 手数料0.45%
4444.4ドル以上 手数料20ドル
つまり直接VYMを購入する場合はまとまった額で買い付けしないと手数料負けしてしまうのです。
購入する額と手数料の概要
20,000ドル ⇒ 手数料20ドル 0.1%
10,000ドル ⇒ 手数料20ドル 0.2%
5,000ドル ⇒ 手数料20ドル 0.4%
3,000ドル ⇒ 手数料13.5ドル 0.45%
これに対して楽天は購入、売却にかかる手数料が発生しません。 このためETFを少額での積立するのは手数料的に向かないのです。
信託報酬の違いについて
ETFの特徴に信託報酬が超安いという特徴があります。 バンガード社の主力であるVTIは0.04% VYMも0.08%、アクティブ運用する投資信託は2%程度の信託報酬を取るので安さがわかるのではと思います。
米国ETFは運用規模が莫大で、VTIで$974.8(億ドル) VYMで$287(億ドル) 運用規模の大きさでコストダウンがはかれているものと思います。
一方で楽天ヴァンガードシリーズは米国の有名ETFに対して投資を行う投資信託なのでヴァンガードの手数料+楽天の取り分という構図で信託報酬が計算されています。
0.08%(ヴァンガード社経費)+0.12%(楽天経費)=0.2%
経費率は安ければ安いほど良いとされます。特に長期運用になれば少しづつ積み上がっていくのでその差は馬鹿にできません。
以下の表は1000万円から信託報酬分を毎年引いていくとどのくらいの差になるのか計算してみたもの、つまりキャピタルもインカムもゼロとすると10年で手数料でこのくらいまで減ることを表しています。 その差 約12万円
投資にかかる手間の違い
楽天ヴァンガードはノーロードの投資信託ですから、少額で購入しても手数料はかかりません。 また積立も設定すれば自動でやってくれますし、配当金を受け取るのか再投資するのかも設定をすれば自動です。
つまり少額から購入でき手数料は無料、積立なども無料です。
これに対して直接VYMを買う場合は基本株式と同じように、指値や成り行きでの注文が必要、最近SBI証券では定期積立サービスを始めていますが、手数料のところでも書きましたが購入時の手数料を考えると高額で積立をしないと手数料負けしてしまいます。
これに関しては楽天VYM圧勝ですね。
VYMにかかる税金
VYMは米国のETFですから配当金に米国で10%課税されます。 更に日本で20%課税されるので約30%引かれてしまいます。
2重課税となるため外国税額控除を利用して確定申告すればいくらか戻ってくるそうですが20%全額が戻ってくるわけではありません。
また米国は配当金には課税されますが、売却益には課税されないので、配当を配当を最小限にして最終的に売却益でリターンを得ることで 米国で課税される10%をパスすることができるはずです。
この意味ではキャピタル(値上がり)に期待ができインカム(配当)が小さいETFの方が有利、VYMよりVTIの方が向いていると思います。
楽天VYMにかかる税金
楽天VYMはVYMに投資をする投資信託です。従って配当金を受け取るのであれば直接VYMを購入したのと同じく、米国で10%、日本で20%課税されます。
この内10%はNISAや積立NISAで購入した場合でも課税されます。 なぜならば米国で先に課税されており、日本のルールではコントロール出来ないからです。
また楽天VYMは外国税額控除ははじめからありません。
楽天VYMは配当を受け取らずに自動で再投資をすることが可能、再投資することで配当金に10%の課税はされますが、日本で課税される20%は先送りすることが可能です。
でも最終的に取り崩すときにひかれるので同じじゃないの?と言われそうですが この税金で引かれない20%分でその分投資のパフォーマンスがよくなるわけです。
当記事、訂正します。残念ながら分配金の再投資設定で課税の繰り延べ効果があるとして書きましたが、残念ながら繰り延べ効果はないこと確認しました、残念ながら国内で約20%課税された後に再投資されます。(2018/11/20)楽天証券 カスタマーサービスセンターさんから 自分宛平素より楽天証券をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。 お問い合わせの件につきまして、ご案内申し上げます。投資信託の分配金が再投資される際には、税引き後、手数料無料で自動的に全額再投資されます。
以上を踏まえてVYMと楽天VYMの特徴を整理すると
楽天VYMの特徴
1:売買手数料が無料
2:手数料を気にせずに少額からの積立が可能
3:外国税額控除が受けられない
4:配当を再投資する設定にすることで20%の課税を先送りできる。
(パフォーマンスが良くなる)
5:信託報酬がやや高め(0.169%+α)
VYMの特徴
1:売買手数料がやや高いので一括購入向け
2:手続きをすれば外国税額控除がうけられる
3:配当金は再投資されない。(分配後自分でやる必要あり)
つまり日本で20%課税される。
4:信託報酬が安い(0.08%)
ポイントは信託報酬をどう見るかという感じですね、先程計算したとおり1000万円から信託報酬分を毎年引いていくと10年で差が約12万円の差、この金額をどう見るかですが、運用の手間がかなり減るので不慣れなうちは楽天が良いと言えそうです。
(2019/02/03追記)
またVYMは高配当銘柄を組み込んでいるのですが、まだ分配金が支払われた実績がありません。なので分配金が本家のVYMと同等のレベルで出るのかよくわからないというのは気にする必要があると思います。トータルリターンで考えれば気にする必要はないのですが、もし配当金狙いであるならば楽天VYMは様子見がよいとなります。
SBI証券でも直接米国ETFを定期購入できるようになりました。楽天VTIとVTIの定期積立のコストを比較しています。

高配当ETFのVYMとHDVを比較しています。 ポイントはエネルギー銘柄です。

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