ETFの説明書を見ると投資のスタイル、投資フォーカスという言葉があります。 ここにそのETFの性格が大体わかってきます。
ポイントは「大・中・小型株」と「バリュー・グロース」、ETFに組込む銘柄の特徴がこの2つのベクトルで表されています。
大・中・小型株とは
そもそも大・中・小型株とは、その企業の時価総額で判断されます。
株式時価総額とは、ある上場企業の株価に発行済株式数を掛けたものであり、企業価値を評価する際の指標である。時価総額が大きいということは、業績だけではなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味する。時価総額は企業尺度や企業の実力の一面にしかすぎないが、市場の期待値を反映した尺度の一つであり、一般には企業の利益や資産が大きいほど時価総額も高くなる。しかし、株価は時に過大(過小)評価される場合があるため、絶対的なものではない。(Wikipediaより)
そして、この自家光学が大きいものから小さいものまで分類し、大型株、中型株、小型株としているわけです。 絶対的に時価総額がいくらから大型株・・・というような定義は見たことありませんが、一説によると以下のように言われています。
大型株:時価総額 100億ドル以上
中型株:時価総額 10億ドル以上100億ドル未満
小型株:時価総額 10億ドル未満
一般的に大型株は時価総額が大きく成熟した企業、このため短期的な値動きが小さいと言えます。 逆に中・小型株になるにつれて流動性も低くなり、短期的な値動きも大きいといわれています。 また伸びしろも大きいのも小型株の特徴と言われます。
試しに米国の大型株全体へ投資するVOO、中型株のVO、小型株のVBを比較してみました。
VOO
VO
VB
過去4年のVOO・VO・VBチャート
2016年のチャイナ・ショック、このときに一番大きく落ち込んだのがVB、次にVO、大型株ETFのVOOは落ち込みが一番小さかったことがわかります。
ただ絶対的なパフォーマンスには明らかな差や特徴は見つかりませんでした。 各ETFに組み込まれているセクターなどに影響されるのと、ETFですから大きく分散されていることが原因と思われます。
バリューとグロース
投資のスタイルでもう一つのパラメータとして「バリュー・グロース」があります。
グロース株は既に価格が高く、しかしさらに成長が見込まれる株。 一方でバリュー株は経営状況は純資産などから判断し適正な価格よりも低く見積もられている企業の株価が適正な値に戻ることでリターンが得られる。
業績や保有資産からその企業の適正価格よりも時価が低い株式、割安な株
グロース株:
すでに市場で評価されて価格が高くなっているが、更に成長が期待できる株
セオリーとしては、グロース株は既に株価が高くなっているので、長期運用でみればバリュー投資が有利と言われています。 ただ過去10年の実績を見ると、グロース株として注目されているテクノロジー系企業の成長がめざましく 結果グロース運用の方がよい成績を残しています。
では米国大型バリューETFのVONV、大型グロースのVONG、ブレンドのVOOを比較してみましょう。
VONV、VONG、VOOチャート(過去5年)
セオリーとは真逆、グロースETFのVONGの伸びが大きく、ブレンドのVOOが次、バリューのパフォーマンスが一番悪くなっています。
投資のスタイル
ETFの特徴をしるには、まず「大・中・小型株」と「バリュー・グロース」のどこに対して投資をするETFなのかを知る必要があります。 その上で実際にポートフォリオに何を入れるのかはETFに組み込まれている銘柄や経費率や配当、過去の運用実績などから判断することになると考えています。
今回チャートを比較してみましたが、大型株・中型株・小型株による明確な違いは確認できませんでした。 ただ、バリューとグロースという見方をすると過去10年で見れば明らかにグロースのほうが良い成績です。
あと注意しなければならないと思っているのが、バリューとグロースを足せば市場平均に近くなると考えられるので、グロースだけと言うのはちょっと不安 分散投資を考えるのであればバリューもグロースも程よく組み込む必要がありますよね、その上でサテライト的にグロースを組み入れるのが良いとなりそうです。
小型株ETFについては明確な利点が見つけられませんでした。 伸びしろが大きい銘柄が隠れている可能性がありますが、ETFとして分散させているのであれば 第2のアップルやGoogleが含まれていてもパフォーマンスが薄まってしまいますよね。 なので個別銘柄で運用しているのであれば小型も視野に入れるという感じでしょうね。
今のところ個別株を買う予定はないのですが・・・(*´∀`*)
ポートフォリオを考えるのにロボアドを参考にしてみました。WealthNaviは運用していなくてもポートフォリオを試算してくれます。

米国の王道ETFを整理してみました。長期運用であればとりあえずここから選んで間違いないと思います。

将来のことを考え高配当ETFを購入しています。でも必ずしも高配当ETFがいいとは限らないことに気が付きました。

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