2日ほど前の日経に「政府・日銀が円買い介入 7円急騰、151円台から144円に」なんて記事がありました。
ついにドル円が150円を超えたか・・・と思っていたのですが、気がついたついたらドル円が147円後半になっていたので、多分介入があったんだなとは思ってました。
まあ日銀が介入と言っても毎日100兆ドルもの売買をしている中で数兆円分のドルを売却したところで為替に与える影響は微々たるもの、すぐにもとに戻ってしまうのは火を見るより明らかです。
今回、円安で騒ぐメディアを見ていて思うことをまとめておきたいと思います。
そもそも円安って悪いの?
そもそも円安が悪いのでしょうか!?自国通貨安が進むと輸出産業が潤うのは間違いありません。
事実ユニクロとか大手は過去最高益を出しているようですし、個人的に見ればS&P500が年初来25%程度下げている中で、自分の資産額は最高額を更新中・・・円安最高じゃないですか。
それに日本はまだインフレ目標(コアコアCPI)2%を達成しておらず、消費が盛んになって物価が上がる正常なインフレではありません。市場にお金を供給して消費を盛り上げるステージ、他国と真逆の政策ですから円安は当然なんですよ!!
悪いとすれば需要が冷え切っているのに原材料コストが上がって価格が上がらざるを得ないことです。
でもメティアも最近までデフレが悪いなんて煽っといて、実際に価格が上がると円安が悪い的な論調に変わってきていますから?? って感じですね。
為替介入のメリット
為替介入は本来やってはいけないこと、だって日本は変動相場制の国ですからね。まあ急激な変動は避けたいと言うのは分かる話なのでちょっとした介入は今後もあり得るのでしょう。
日本の外貨準備高は1.2兆ドルもあって諸外国と比べて極端に多いそうですが、それでもドル円の取引も一日1.2兆ドルくらい(ロイター:2022年10月28日「世界の為替取引高が過去最高更新、1日平均7.5兆ドル」より)も動いている中では雀の涙程度、円高誘導の効果なんてありません。
ちなみに外貨準備の1.2兆ドルって、過去に円高対策として為替介入したもので、購入価格は平均して100円くらいだそうです。今ドル円は150円くらいなので含み益が半端ない
日本政府にFXやらしたらどうでしょうか
まあ円安で大儲けの人や企業も多く日本のGDPも上がるはず、一方円安で困る人には外貨準備金の含み益を分配すれば全く問題なさそうですね。
・・・つまり円安最高じゃないですか
なぜ需要が冷え切っているのか
それはもう日本の金融政策のミスです。バブル崩壊後、安倍首相が現れるまで金融引締をやり続けた結果ですね。
この政策ミスで他国ではインフレが進んで給料も上がっていったのに日本ではデフレで給料もあがりませんでした。
お金の量が増える ⇒お金の量に応じてモノやサービスの価格は上がる お金の量が減る ⇒モノやサービスの価格が下がる
金融引き締めと増税をすればお金の流通量が減るのは火を見るより明らか、当然「モノやサービスの価格が下がる」デフレになります。
現在は金融緩和によりお金の流通量を増やし需要を喚起する政策を実施している中、他国はインフレによる金融引き締めで発生している円安ですから日銀の黒田総裁への風当たりは強そうです。
頑張ってほしいですね
円安が恒久化すると思う理由
バブル時代、実は各経済指標は結構優秀な成績、それに株価と土地の価格が上がってほかは大して上がっていなかった。 問題は土地と株の税制の歪みから異常に儲ける人たちが出たこと (高橋洋一チャンネル 第5回 バブル崩壊から失われた30年の原因 より)
このときはまだインフレ目標がなかったので日銀はガツンと金融引き締めで土地だけでなく全体を下げ、失われた30年が始まるわけです。
今日本は金融緩和中ですが、もしこれをやめればデフレに逆戻りして円高が進むはずです。でもそれを防ぐためのリミッターがインフレ目標2%なんですね。
またインフレ目標を2%と各国で同じレベルにしているのは為替を安定させる効果もあるわけです。
日本は金融緩和 ⇒通貨の発行量を増やす 世界は金融引締 ⇒通貨の発行量をへらす
インフレ目標が2%を達成するまでこの傾向が続くので今以上に円安が進むのは見えてますよね。
各国のインフレ率が2%付近となれば、その時のドル円は今までのように100~120円ではなくもっと高い水準になっているはずです。
ドル資産を持っている日本人はウハウハでしょう!!
メディアの言うことを信じて円安けしからん!!なんて騒いでもインフレ目標を守る限りは円安は決定事項、インフレ目標なんか守らない・・・なんて人がトップに立たない限りは円安決定です。
なので個人としては円安は更に進むことを前提に資産形成を考えておいたほうが良いと思います。早めにドル転を進めるとか・・・もちろん自己責任で!
まとめ
円安が進んで色々と騒がしい状況が続きますが、多分ドル円が100~120円くらいには戻らずにもっと安い水準で安定化するように思います。
その理由はインフレ目標2%が定められたことですね、これにより各国の金融政策が似てきますから自ずと為替は安定してくるはずです。
いま日本は金融緩和と世界は金融引締と真逆の政策ですから円安に動くのは確実、どこで安定するかは日本が今まで引き締めすぎていたので今までよりも安い水準で安定するでしょう。
これがドル円が安い水準で安定化すると思う理由です。
ちなみに、日銀の為替介入がありましたが、為替介入で為替をコントロールすることは無理です。できても一時的に円安スピードを抑えるくらいです。
意味があるとすれば円安対策しているとのアピールと、含み益がとんでもないことになっている為替準備金を利確することで経済対策としての財源にすることができることですね。
何事にもメリットとデメリットがあります。メティアはデメリットを強調したほうが視聴率を取れるのでメリットを説明しませんから 裏を考えて資産形成計画を考えたいと思います。
以上、なにか役に立つことあったでしょうか?
それでは、また!!
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