最近話題の外貨預金、円を他国の通貨に交換して外貨で預金することです。最近は日本以外は利上げが進み、日本は景気拡大路線としてゼロ金利を維持していますから高金利を狙う方が外貨預金に注目するのはうなずけるところです。
ただ預金というと元本保証のようなイメージがありますが、外貨預金は元本保証でもなくただの投資です。というか異常に分の悪い投資です。個人的に思う問題点を書き出してみると・・・
一般的な外貨預金の問題点
・為替の影響をモロに受ける
・元本割れリスクがある
・為替の手数料が高い
・外貨預金はペイオフの対象外
・外貨預金でも金利が高いわけではない
・為替差益は雑所得、利子は分離課税
つまり・・・
1)預金と言いながら元本保証ではない
2)為替手数料はFXなんかに比べるとバカ高
3)銀行が倒産しても保証されない
4)金利から為替手数料を引くとリターンは驚くほど安い
5)為替差損があっても金利は課税される
外貨預金をするくらいだったら 来年以降に米国の債券ETFを買っておけばいいんじゃない!? どうせ来年から円高に振れるし、FRBはこれからも利上げを続けるのでAGG(高格付けの債券ETF)はこれからも安くなる。 ・・・と思うのです。
勝手な予測ですが
・多分来年から今よりは円高に振れる
・AGGはまだまだ下がる
そうなれば少ない円で多くのドルが買える、安くなったAGGが買える。AGGの利回りは現在3.3%前後ですし手数料も格安です。となれば外貨預金ってどうよ・・・と思うのです。
来年からは円高に振れる
メディアでは円安は悪いもの、これからも円安がますます進む・・・という報道で不安をアオリ視聴率をあげようとしているように見えます。これにのせられた人が外貨預金に走っているように思うのですが、来年は今よりは円高になるので外貨預金に走った人は損をするように思います。
正しい金融政策をするのであれば円安が進むはずなんですけど、多分逆になるんじゃないかとおもうんですね。
解説の前に、まずは為替の決まり方をおさらいしてみましょう。
為替は通貨の交換比率
各国の金融政策の違いにより決まる
日本は金融緩和で他国が引き締めに走っているわけですから円が増えてドルが減る、つまり円の希少性が薄れるので円安になっているんです。
諸外国ではコロナショック後の金融緩和でお金をまき需要を落とさないようにしました。結果、需要が増えすぎてインフレが進んでいます。
供給<需要 ⇒ インフレ
日本ではコロナ対策で市場にお金を供給してもまだ足りずに需要が少ない状態です。実際にグローバルでインフレを図るコアコアCPIはインフレ目標2%にまだ足りない状況です。
供給>需要 ⇒ デフレ
なので金融緩和で需要を増やさざるを得ないのが実情なんです。あれ、じゃあ今後も円安が進むんじゃないの!? そう・・・
正しい金融政策をつづければ円安は進むはずです
ついでに言えば円安になるとGDPが増えるので日本としては良いこと、それに為替介入といっても持っているドル債を売るだけですから含み益でウハウハですよね。なので正しい金融政策と円安で困っているところにウハウハな利益を回すだけでいいはずなんですけど・・・多分こうならないような気がしています
理想通りにはならないと想定
先日、日銀の為替介入に対して黒田総裁の記者会見がありました。黒田総裁は今後も金融緩和を続ける考えを強調されていましたが、任期は来年の4月までなのでその後はどうなるのか!?の質問に対して
日本を含めて先進国のインフレ目標は皆2%でありこれを目指す以上は誰が総裁になっても金融緩和を続けるしかない。といった内容で説明されていました。
●後任の方が金融緩和に消極的な人ではないのか
●金融緩和して市場に供給したお金、税金を上げれば吸収され需要は増えない
バブル崩壊後にこれを繰り返してきたので景気低迷が続きてきたわけですけど、財務省ベッタリと言われる岸田総理、せっかくアベノミクスで盛り上がってきたのにもとに戻してしまうだろうと想像しているからです。
AGGはまだまだ下がる
まず外貨預金よりはAGGのほうがよっぽど良いというのは手数料が安いこと、利回りも3.3%(税引前)ですから実質2%強の金利が受け取れます。手数料で利息がマイナス(円換算)になる可能性もある外貨預金よりは良いでしょう。
それにAGGは米国の高格付け債券ETFですから安定感もあります。
そしてAGGの価格が下がるのははっきりしています。FRBがインフレ対策としての利上げを強力に推し進めることを公言していますから、金利が上がれば債券ETFの価格は下がるので買いのタイミングはまだ先ということになります。
金利が上がる
⇒新規に発行される「新発債」が売れる
⇒既存の「既発債」が売れなくなる
⇒債券価格を下げないと売れない
なので金利が上がれば債券(AGG)の価格が下がるのです。
外貨預金に走るということはメディアにのせられている人、しかもある程度まとまったお金がある人だと思います。
AGGは一つの例ですが、外貨預金も所詮は投資ですからリスクが有ることを理解してまとまったお金を入れるようなことがないように注意してほしいと思います。
まとめ
最近の日米の金利差により外貨預金が注目を浴びています。でも外貨預金は預金と言いつつも元本保証もなく、ペイオフの対象でもありません。しかも手数料が高く、投資商品としてはあまりにも分が悪いのは言うまでもありません。
今回は外貨預金をするくらいならば来年AGGを買ったほうが良いのではないかと勝手な予想をしてみましたが外貨預金よりは儲かる確率が高いと思っています。
1)多分来年は今よりも円高に振れる
2)AGGの価格はまだまだ下がり続ける
しかし、バブル後の低金利と海外の金利差から退職金を利用して外貨預金に走った親戚が何人もいました。その後リーマンショック後に1ドル80円くらいまで円高が進みみんな無口になっていたことを思い出します。外貨預金は気をつけなはれ・・・と思うのです。
外貨預金はあくまでも分の悪い投資、もっと確実な方法はたくさんあります。
それでは、また!
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