8月26日(金)に開催されたジャクソンホール会議で行われたパウエル議長の講演でインフレ率2%へ引き下げていくことが最も重要であることが明言されたそうですね。
つまりこれからも強力に利上げを進めるわけですから、これを受けて市場もかなり反応しています。
VTIとVYM直近1ヶ月のチャート

8/26あたりを堺に結構反応していますね、同様にドル円も影響を受けています。それまで1ドル138円ほどだったのが10日ほどで144円まで円安が進んだことになります。
ドル円直近1ヶ月

米国へ投資をしている人は米国株が下がってもこの円安に助けられて資産はほぼ横ばいとなっているのではないでしょうか?このおかげでやす吉も評価額は微増しながら過去最高を更新中です。
今回はこの状況で思うことをつらつらとまとめておきたいと思います。
ジャクソンホール会議をうけて
米国の利上げは今後も強力に継続することが明確になりました。でも今のインフレは需要と供給だけでなくコロナによるサプライチェーンの混乱、半導体不足や原油価格の高騰も影響しているといわれていますよね、なので単純にFRBの利上げだけで抑え込むのは難しくインフレ率が高い状況はそれなりに長く続くはずだと思っています。
つまり金利が徐々に下がっていくフェーズはまだまだ先ということなので、株価はさらに下がっていくことになるでしょう。ちなみにやす吉の持っている株式はVTIとVYMだけなのでドル建てではたしかに減っています。これからも減り続けるかと思うと・・・
でも実は為替の影響で円建てではなんと過去最高を更新し続けています。(昨年グロースETFのQQQを売却してVYMに集中、これが意外と頑張ってくれているようです)
まあ過去最高といえば普通は嬉しいのですが、なんとなく微妙で喜べないんですね。だってこの円安が今後も続くとは思えないし、米国株式はじわじわと下がる。すると来年あたりは自分の資産がじわじわと減っていくことを覚悟する必要があるでしょう。
だからと言って長期投資で余計なことをするのはご法度、結局のところ予想してもそのとおりになるかは誰にもわかりませんからね。
いま何故どうしてこんなに円安に?
たしか1年前はドル円が110円〜115円くらいだったのが、今は144円を記録しているのでこれだけで25〜30%も資産価値が増えたことになります。
もし為替の影響がなかったとするとこの1年で約マイナス15%、かなり為替に助けられています。ではいま何故こんなに円安になっているのでしょうか?
為替は通貨の交換比率
為替は通貨の交換比率ですからドルの需要が高まればドルが高くなって相対的に円が安くなります。今はドルの需要が高まって円の需要が落ちている状態なんですね。
じゃあなんでドルの需要が高まっているのか、円の需要が落ちているのかを考えてみると。よく説明されるのが日米の金利差です。利子がつかない円よりも利子がつくドルを持っていたほうが良いということで為替が動くというやつです。
金利が上がると需要が高まる
たしかにこの側面はあると思いますが、この場合の米金利は長期債の金利でFRBがコントロールしている政策金利ではありません。あくまでも市場が景気判断した結果としての金利なんです。
ちなみに日本の場合はGDPギャップがマイナスですから政策金利を上げると景気の先行きに暗雲が立ち込めて長期債の金利が下がってしまうかもしれません。そうなるとますます円安が進むかもしれませんし、さらにそれを見越して・・・なんて人もいます。
なので金利だけで説明するのはイマイチかなと思っています。
通貨の発行量が為替を決める
でも為替の方向性を見る方法がないわけではありません。個人的に一番わかり易いと思うのが通貨の発行量の推移を見る方法です。
為替は通貨の交換比率ですから「発行されている通貨の量」がどうなっていくのかによって為替の方向性が見えるはずという考え方です。
いま米国では高いインフレを抑えるために金利を上げてQTを実施、いずれも市場にあるお金を減らす方向の政策ですよね。
一方で日本ではGDPギャップがマイナス、コアコアCPIをみてもまだインフレと呼ぶレベルにはなっていません。(原油価格は上がっていますが)要は市場に出回っている円の量が少ないのでインフレになりにくい。なので金融緩和策がやめられないんですね。
今必要とされている金融政策 ・米国はドルの流通量を抑える ・日本は円の流通量を増やす 相対的に円の発行量が増える=円安傾向
やす吉はこっちの考え方のほうがしっくりきます。多分実態に近いのではないでしょうか。
日銀総裁の後任人事がポイント!?
現在日銀総裁の黒田さん、来年4月に日銀総裁の後任人事も決まるはずです。(実際には1月には決まっていると言われています)
次期の日銀総裁が誰になってどのような政策を実施していくのかは今後の日本の経済を占う上では1つのポイントになるものと思っています。つまり日本経済にとっては円の流通量を増やしてGDPギャップをプラスに保つことが望ましいことだと思うのですが、緊縮論者が総裁になれば円の流通量は増えないので為替の方向性としては円高、この場合はアベノミクス前のデフレ経済に逆戻りするでしょうね。
なのでここは投資家として見逃せないポイントです。
個人的に思うのは今の金融緩和策を継続しつつ、輸入品の価格高騰には減税で望むのが一番わかりやすく効果があるんじゃないかと思うのですが、つまりなんのための軽減税率か・・・ということ
こういうときに臨機応変に税率を見直して景気対策しなければならないんじゃないの!?、補助金だすの?金額しょぼすぎでしょ・・・なんて思っちゃいますね
個人投資家はどうするべき
日銀総裁が緊縮論者だった場合は、米国株の低迷に加えて為替によるダブルパンチを食らいそうです。なので来年以降は資産が徐々に減っていく面白くない相場が続くのかなと覚悟しています。
いまは資産額が過去最高を更新していますが、これは「たまたま」、また為替がどう変わるのかはわからない、米国株がどうなるかはわからない中では「長期で見れば米国株式は成長する」という前提を信じて今後とも鬼ホールドが必要です。不透明感が高くなっているいまこそ淡々と買っていく事が必要に思います。
また、もし現金としてドルを持っているならば買い場が近づいているのかもしれません。
景気が悪くなれば人気が出るのが高配当株
景気が悪くなってくると人気が出るのが高配当株、過去のチャートを見ても2022年に入ってからVTIやグロース株のQQQに対して高配当のSPYDやHDV・VYMの成績が良いです。

よし、高配当ETFを買おう!!といっても、円安で円をドルに変えるのは損ですからなかなか悩ましいところです。こんなところにも通貨を分散させておくメリットが見え隠れすると思いませんか?
そして円安の今、考えるべきは国内の高配当株式じゃないかと思うんです。国内株式は為替の影響を受けませんし、我々は普段から円を使って生活をしているわけですからね。
もちろん投資の目的次第なんですが、国内株式だってあったほうが分散が効いて安心です。なんならドルと円で配当金をもらい、その時々の為替によってどちらの配当金を使うのか・・・なんてことができる状態を目指すのもありですよね。
まとめ
8月26日(金)に開催されたジャクソンホール会議で行われたパウエル議長の講演でインフレ率2%へ引き下げていくことが最も重要であることが明言されました。
これを受けて米株式の下落と円安が進む結果となりましたが、やす吉の資産はドル建てではマイナス、でも円建てでは過去最高額を更新しました。
でもこれからも円安が続くとはいえませんし、米株式もじわじわと下げていくでしょうから来年は辛い1年になりそうです。いまからガッチリとホールドを誓わないといけない状況です。
そもそもなんでこんなに円安なのか?
⇒米国では通貨の発行を抑える政策、日本では通貨を増やす政策だから
なので円安はこれからも続くはずなのです。ターニングポイントは来年の日銀総裁の後任人事、後任が緊縮論者だった場合は円の発行量を抑えるでしょうからここの推移は投資家として注目すべきポイントです。
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